2013年5月9日 (木)
日本一だね! きものの虫干し(第3篇) 苔香居
桂離宮(京都)で有名な 「桂」 に、登録文化財ならびに京都市特別景観建築物の「苔香居」(たいこうきょ 山口家)があります。
江戸時代に建てられた茅葺の長屋門は実にユニークで、重厚な主屋へと続きます。
山口家は、代々、庄屋さんの家系で400年続いている名家です。
玄関の鴨居に架けてある籠
戦前まで、大奥様はこのかごで駅まで乗って行かれたそうです。
当主のお母さまの1周忌で、遺品が大切に展示されています。
代々の婚礼きもの、丸帯
きものと沢山の帯締めと帯留め(ヒスイ、珊瑚) 昔は、帯締めも多彩、多様だった・・
着物のたとう紙(畳紙)に書かれた衣裳の着用履歴
いつ、どこで、どんな時に、どんな帯と一緒に着たか、書かれている。
女性の美意識と誇り、まさに女性の衣裳文化史です・・・
20代目当主の山口俊弘さんが、台所で手打ち蕎麦を振る舞って頂けます。
手打ち蕎麦、おくどさんで炊いた豆ごはん、山椒のきいたタケノコ、美味しい!!
山口さんは、代々、大変な教養・趣味人で蕎麦、コーヒーの焙煎など、プロ級の腕前です。
山口俊弘さんのレシピで、コーヒーを入れる珈琲屋さん 実に旨かった。
庭は手入れが行き届き、自然がいっぱいの由緒しい風情です。
お茶席の入口にあるVWのアンティークカー 可愛い!
山口さんの家のSL公園(山口館長) コッペルC型機関車
これは先代の趣味だそうです。 もちろん、本物の蒸気機関車です。
後記
山口さんとは、登録文化財の会の同志で、永年仲良くさせて頂いています。
こうした「きもの虫干しの会」は、5月と11月に開催され、きもの好きの方には有名な行事です。
希望者は、苔香居のHPをご覧ください。
山口さんのような幅広い教養と高い趣味性は、きっと江戸時代の産物なのでしょうね。
昔、庄屋さんやお武家さんが大切にした古典への傾倒、求道精神は、明治から平成にかけての日本人の特質に結びつくのでしょうね。
山口さんの物腰、教養に接すると、しみじみ実感します。
文化財とともに、素晴らしい家風を大切にしてくださいね。