2014年1月8日 (水)
西陣織美術工芸 あさぎ スタートしました。
西陣織工業組合の創立130周年の記念総会が1月6日に開催されました。
山田知事の挨拶です。
伊吹文明衆議院議長、門川市長、国会議員はじめ多くのご来賓と組合員ら300名が出席でした。
上七軒の舞妓さんらズラリ参加です。 さすが西陣!!
西陣織メーカーの仲間入りが出来てうれしそうな私
ここに至るまで、中々の苦労でした。皆さんのご支援でたどりつきました。
昨年夏に、西陣織の最高級メーカー、㈱西陣あさぎが弁護士の手で事業停止しました。
すぐに私は弁護士さんと西陣の至宝「あさぎブランド」の継承の交渉し、無事成立。
西陣織工業組合からも、「㈱西陣あさぎ→塚喜商事㈱あさぎ事業部」への継承が承認され、「証紙番号577」(あさぎ)の使用継続が認められました。
西陣織の証(あかし)として、大切な証紙となります。
西陣最高の織技術1800口織ダイレクトジャガードで一つ動かせば1900本以上の針を動かす織の心臓部
左は、当社の名越です。
1800口織ジャガードは、2階建ての家の1階の天井を超える大きさがあります。
ジャガード(重さは2トン)の振動で糸がブレないようにH鋼で支えています。
写真は当社の藤村です。 これらの織機は、当社から西陣、丹後の下請けさんに貸出し、熟練した手で織って頂いています。
西陣織はウラ織ですから、製織中に小幅(38センチ)なら鏡で下から見えますが、丸帯
(76センチ)は下から見えません。 高度な技術がいります。
裏側の糸を藤村が除去しています。 これも、高度な技術がいり、今では、あさぎ事業部の社員と専門職人にしかできません。
作品の一部を紹介しましょう。
尾形光琳の「紅白梅図屏風」(国宝)の打掛です。 タテ・ヨコ糸はすべて純金です。
長谷川等伯の「柳橋水車図」(国宝)の丸帯です。 蒔絵(まきえ)を織で再現しようと漆箔(うるしはく)を純金箔で織り上げました。
東山魁夷の波涛の絵画を織り上げた丸帯
波の音が聞こえてきそうです。
横山大観の夜桜を純金泊で表現した丸帯
月夜に映えるようにラメ糸を使用し松と桜をみずみみずしく織り上げています。
正倉院は、シルクロードより入った様々な文様の宝庫です。
ペルシャの華紋様の丸帯です。
ゴッホの油絵「ひまわり」を西陣織で表現。 油絵の筆さばきを織で表現
上は織額、下は袋帯
尾形光琳の琳派にあこがれたクリムト。 代表作の「接吻」の帯です。
尾形光琳の「紅白梅図」の屏風
洛中洛外図や南蛮屏風などが大人気です。
女人高野で有名な金剛寺の「日月山水図」(重文) 四曲二双の屏風
蓄光糸(光を蓄える特殊糸)で織り上げ、暗闇で光を放出し幻想的な世界を醸し出します。
京都・浄瑠璃寺の吉祥天立像(重文)
後背の光を純金で織り上げました。
般若心経や名号軸など、多くの好評の掛け軸があります。
葛飾北斎の赤富士の「凱風快晴」の掛け軸です。
江戸琳派の祖 酒井抱一の「花鳥12か月画帳」を短冊にして製作
短冊の背景には、プラチナ、純金を交互に用い、抱一の世界を精緻に織り上げました。
あさぎ事業部のベテランの両輪 名越室長(右)と松嶋MD(左)
よろしくお願いします。あさぎ事業部のメンバーです。
後記
「西陣織美術工芸 あさぎ」を覧いただき誠に有難うございます。
西陣の絶頂期に築き上げた技術の高さ、大量の意匠図案、多くの紋紙、1800口ジャガード織機と扱う熟練工、磨きぬかれたベテラン社員、これらの西陣織の技術の粋を守り継承していきたく存じます。ご支援、ご教示のほど、お願い申し上げます。