2014年3月5日 (水)
ついに出来ました! 京の町家の復元
この町家は、昭和7年(1932年)11月23日に棟上げをした築82年の建物です。
当時、呉服問屋の名門・木崎商店の創業者が、呉服の商いで培った財力、趣味性の高い教養と深い愛情で建てた素晴らしい本格的京町家です。(敷地150坪)
数年前に伝統の心とともに、木崎さんより小生はお引き受けし大修理をしました。
ベンガラ格子の出窓、じゅらく壁、銅のトイなど、昭和初期の建築当時の姿に戻しました。
1932年頃は、第1次世界大戦(-1918年)と第2次世界大戦(1941年―)の間の日本の経済力、文化が最も充実した時代で、この頃の建物は材木・技術などが最高潮の水準で、本当にいい建物が多いですね。
玄関を入ると店の間。 入口は三和土(たたき)の土間になっています。
少しデザインに凝り、天井の一部を吹き抜けにしました。
座敷は広い床の間になっており、趣味のいい物静かな風情があります。
木崎さんの創業者はお茶をとても、たしなんだ方で品のいい趣向が多くあります。
通路の天井が船底型になっています。
2階はモダンに改装し、畳、板の間になりました。
ふすまは流水の柄です。
台所は白のタイル張りでとてもシンプル、機能的になりました。
お庭は、昭和初期の庭師の趣味のいい作庭で、枯れた紅葉を数本新しく入れた位で、庭石は昔のままを生かしました。
大きな鞍馬(くらま)の沓脱石です。(もちろん天然石です)
これは、川の石(水で磨かれた石)か山の石(砂地に埋もれた石)かが議論になりましたが、正解は「山の石」だそうです。
蹲(つくばい)です。 昔の橋の橋脚(石)を使い、手洗水の四方形を石工が彫りました。
白川石で昔の風情を再現しました。
光悦垣の上の覆いの銅板は、竹の形に細工し造形しています。
昔の職人の仕事はびくともしません。
「不許葷酒入山門」の石柱
酒やニンニクやネギ(精のつく臭いもの)を食べて寺の山門に入ってはならない・・・の意です。
実にいい灯篭です。
夜の外観です。
設計士さん、大工さん、庭師さんの多大な協力により復元プロジェクトは完成しました。
誠に楽しい時間でした・・・
お隣りの木乃婦さんの高橋社長様には、色々、ご教示頂きました。
ありがとうございました。
さて、この京町家の用途ですがSOW(若い京大卒の人達の会社)により「ザ・ターミナル・京都」として、若い人、外人、起業をめざす人たちのターミナルとして活用されます。
2日間だけの公開日(内見会)
★3月16日(日)午後3-6時
★3月17日(月)午前9時半―正午
場所 京都市下京区新町通り仏光寺下る岩戸山町424番地
興味のある方は、下記のメールにご連絡ください。(お名前、ご来場日)
kizaemon@tsukaki.com