2016年8月29日 (月)
滔々と流れる山中温泉の鶴仙渓・・・
連休に家内と北陸の山深い温泉に行ってきました。
定宿の山中温泉のかよう亭です。
宿の亭主の上口さんは82歳で、すぐれた文化人でいつもあたたかく迎えてくれます。
宿の傍に大聖寺川が滔々と流れます。
いつに変わらぬ光景で、こころが豊かになります・・・
いたるところから水が湧いてきてオゾンが発散する地上の楽園です。
この地は、山中塗り(漆芸)産地であり、その土台の木地が採れ木地師の里でもあります。
ここから人間国宝の川北良造氏(92歳)などすぐれた木工芸士が輩出しています。
同じ木工芸の多田桂寛さんは2年前に逝去、佐竹康宏さんは今年の春に亡くなりました。
とても親しくして頂き、誠に残念です・・・
鶴仙渓は、川と山が織りなす渓谷で野趣に富んだ散策路になっています。
山中温泉は松尾芭蕉が訪れ、芭蕉庵があったり多くの俳人の句碑が沢山あります。
古来、温泉は不思議に文化人を多く惹きつけ、また、山中塗や九谷焼など優れた伝統工芸を生み出し、山中節など芸者や古典芸能の温床にもなります。
かよう亭は、山深い小さな温泉宿ですが、文化人や外国人の常連さんが多く、独特の空気を醸し出しています。
亭主と女将の心配りが浸透し、自然な高い文化性がとても居心地がいいのです・・
お食事は・・昔は石政さん、今は海老原さんが板場を仕切ります。
中庭は水がこんこんと湧きだします・・
「日本一の朝食」です。
何が「日本一」かって・・?
そりゃ理屈じゃなくってご経験してください。
きっと、「これは日本一だ」って、思われるでしょうねぇ・・・