2016年11月16日 (水)
紅葉の永源寺、神秘的な木地師の聖地を訪ねて
今週の日曜日、故郷の東近江市の秘境・奥永源寺に行ってきました。
東近江市観光協会主催のマニアックなツアーに参加しました。
臨済宗・永源寺派の本山では、もう紅葉が始まっています。
16羅漢の石仏です。
近江井伊家の第4代、7代藩主の井伊直興(いいなおおき)のお墓です。
幕府の大老を務めた大立者で永源寺を庇護されました。
総門です。もみじが紅葉して素晴らしいですね。
いよいよ山門です。この2階に釈迦如来と16羅漢がおられます。
塔頭のご住職のご案内で特別に楼上に上げて頂きました。
お釈迦さんの脇侍は普賢菩薩と文殊菩薩です。
江戸時代の落書きが沢山あります。
昔は矢立(筆ペンのようなもの)から、墨でスラスラと達筆で書いていますネ・・
いやあ、落書きごと文化財ですねぇ。
五色の旗がたなびく方丈(本堂)
葦吹きの立派な寝殿のような本堂です。
開山の正燈国師(1290-1367年)のお手植えの紅葉
真っ赤なもみじで、一番先に紅葉し一番最後まで美しいもみじだそうです。
正燈国師は、岡山県勝山に生まれ、18歳のおり鎌倉で修行され大悟して、31歳で中国の天目山で学び、帰国後72歳で永源寺を開山され名僧。
京都、鎌倉からの再三の招きにも応ぜず、永源寺で修行僧を育て78歳で示寂。
昼食はおなじみの日登美山荘のイワナ料理です。
美味しかったなぁヽ(^。^)ノ
木地師の聖地を訪問です。
筒井神社です。
あれっ、この家の表札は”小椋正清”さん、東近江市長さんだ・・
木地師の里の大名主の小椋(おぐら)正清さんの自宅は、まさに筒井神社の前なんだ。
ここに資料館があり、木地師の古文書がたくさんありました。
木地をロクロで引く道具です。
木地師は、漆器(お盆、お椀)などの原型を作る木工師の事です。
惟喬親王像(844-897年)と墓所です。
惟喬(これたか)親王は、第55代文徳天皇の第1皇太子として生まれ、藤原家との政略で皇位につけずにこの地へ亡命されました。
惟喬親王はこの山深い地で轆轤(ロクロ)の技術を考案され小椋(おぐら)の民に木工技術を広められました。 これが優れた木工芸品として尊ばれ、小椋の民は良材を求めて全国を歩き、後の天皇は小椋の民へ勅許(全国の山の木を自由に伐採できる権利)を与えました。
これが、筒井神社の木地師支配所(特権の管理)となりました。
各地の山への出入りでもめて地元の代官がせめてくると、この勅許を振りかざしたそうです。
奥永源寺の地域おこし協力隊の前川真司さんです。
この辺りは”君ケ畑”で、神々しい空気感があるところです。
大皇器地祖神社とその掛け軸で、この辺の集落には皆、祀っています。
金龍寺(高松御所)で、惟喬親王の御在所(御所)がお寺・神社になりました。
木地師の里だけに素晴らしい能面が彫られています。
惟喬親王の御遠忌には神能が興行され領主の井伊さんも来られたとか・・
説明する前川真司さん、総務省の地域おこしの支援を受けて頑張っています。
延命冠者(室町時代)、大事な文化財です。
木地師の工房を訪れました。
積み上げられた木地(3-5年乾燥させます)とロクロを引く小椋昭二さん
奥永源寺の道の駅(大政所中学校跡)に寄って地産のお土産を買って帰途につきました。
誠に楽しい心躍る小旅行でした。
ボランティアガイドの皆様、誠にありがとうございました。