喜左衛門ブログ:President Blog

喜左衛門ブログ:President Blog

2016年12月28日 (水)

伝統文化が息づく山中温泉

LINEで送る

師走の連休に家内と加賀の山中温泉に行ってきました。

いつもお世話になっている『かよう亭』さんです。

s161228_01.jpg

「日本一の朝食」は、脂の乗り切ったハタハタが旨いですね。〈かよう亭さんの陶板〉

s161228_02.jpg

展示物は、亭主の上口昌徳さんの美意識にかなったものです。

これは中国の殷(四千年前)の陶器の壺です。

s161228_03.jpg

お正月を待つハボタンと南天・・・心憎いですね。(^O^)

s161228_04-1.jpg

雪吊りを施した椿

s161228_04-2.jpg

お部屋の床の間の掛け軸(坂野雄一さんの篆書)

s161228_05.jpg

素晴らしい書と好みのいい軸装ですねぇ~

いつもお馴染みの鶴仙渓、緑と水があふれオゾンが一杯です。

s161228_06.jpg

s161228_07.jpg

水量豊かな大聖寺川

s161228_08.jpg

あやとり橋が天空にかかります。(デザインは勅使河原宏、いけばな草月流3代目家元)

100メーター近くある大きな橋です。

s161228_09.jpg

s161228_10.jpg

松尾芭蕉(1644-94。51歳で没)が奥の細道の旅行のおり、元禄2年(芭蕉41歳)、

山中温泉の泉屋で9日間も滞在したことが有名です。

芭蕉は、永い間、同行した弟子・河合會良(かわいそら、芭蕉十哲のひとり)と

ここで別れることとなります。

この泉屋のお隣の扇谷(明治38年築)が、10年前に芭蕉の館として生まれ変わりました。

「芭蕉の館」の前の石像・・芭蕉と會良のとのつらい別れのシーン

s161228_11.jpg

芭蕉の館と見事な庭の雪吊り

s161228_12.jpg

内部の構造

s161228_13.jpg

松尾芭蕉のお軸

s161228_14.jpg

山中温泉は芭蕉堂など、熱烈な芭蕉ファンが多く、句碑が沢山あり、

俳句の会などとてもさかんな地域です。

山中温泉は、山中塗りで有名で、漆芸や木地師(ロクロ師)が多く、人間国宝の川北良造(1934年~。山中町出身の人間国宝、木工芸)らが有名です。

見事なけやきの大皿(川北良造作)

s161228_15.jpg

昔のけやきの壺

s161228_16.jpg

山中温泉は、九谷の陶器の産地も近く、とっても教養レベルの高い地域です。

現役の芸者も養成しており、有名な山中節も盛んで、歌舞練場(山中座)もあります、

お隣り町の山代温泉の総湯

s161228_17.jpg

名湯が安い(@440円)ので総湯に浸かってきました。

s161228_18.jpg

山代温泉は北大路魯山人(1883-1959)が長逗留したのが有名です。

温泉旅館の富裕な旦那衆を相手に論壇し、旅館の大看板を篆刻で彫ってやりました。

魯山人は、山代の焼き物の大家、須田菁華に師事して、陶器を習いました。

山代での魯山人の生活は非常に充実した時期で、晩年に大きな影響を与えました。

山代温泉の薬王院温泉寺、行基菩薩の創建(725年)です。

s161228_19.jpg

s161228_20.jpg

温泉寺のお隣は服部神社は山代温泉の守護神(和銅年間に創建、710年ころ)

s161228_21.jpg

s161228_22.jpg

神馬の石像

s161228_23.jpg

s161228_24.jpg

昭和3年に青銅で神馬が作られ、昭和18年(戦時中)に鉄の供出で青銅像が駆り出され、昭和28年(終戦後8年後)に石像として再建されました。

ペガサスのように馬に羽があり、地元の人の信仰で、石像としてよみがえりました。

樹齢800年の巨樹です。

s161228_25.jpg

山代町の人々の心の豊かさと、伝統を重んじる熱いパアーを感じますね。

山中と山代の加賀の温泉郷をと1泊で廻りましたが、とても、心の滋養を頂戴しました。

ありがとうございました。