喜左衛門ブログ:President Blog

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2017年2月10日 (金)

「三方よし講座」と石田梅岩先生

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石田梅岩は江戸時代初め、1685年に京都府亀岡で生まれ1744年に59歳で没した思想家、倫理学者で石門心学の開祖です。
石田梅岩は日本全国に多くの信奉者、弟子がおり、近江商人の「三方よし」も石門心学と重なり合う点が多いように思われます。
弟子が集う「明誠舎」は230年前に設立され、120年前に内務省(当時)が日本で初めて社団法人として「心学明誠舎」を認可されました。

2月6日、心学明誠舎の専務理事の清水正博さんがツカキスクエアにお越しになりました。
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清水さんの著作を頂きました。
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素晴らしい本です。
大塚融さん(元、NHKディレクター)もご一緒にこられました。
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大塚さんは、如水会(一橋大学のOB会)メンバーで、小生の母校とは三商大の交流が深く、又 加賀正太郎氏の研究では日本一で大山崎にある「生々居」もよく知っておられます。昔話に花が咲き永年の知己のような感じがしました。
近江商人の「三方よし」と石門心学とについて議論が深まりました。

2月8日、今度は小生が大阪の心学明誠舎に出向き、「三方よし出前講座」をしました。
大繁盛の天神橋筋商店街です。
この先の天満には吉本興業の繁昌亭があります。
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大阪らしくたこ焼き、散髪屋などのにおいが混在し大変な人出の商店街です。
いよいよ天神橋筋6丁目(天六)に来ました。
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左側が、今日の会場の「大阪市立今昔くらし館」です
この方が有名な石田梅岩です。
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小生も去年、亀岡の石田家(梅岩が生誕された家)に行ったことがあります。
いよいよ小生の「三方よし」出前講座の始まりです。
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三方よしの「売り手よし、買い手よし、世間よし」の話で盛り上がりました。

二宮尊徳[小学校の銅像の二宮金次郎]の話になりました。
二宮尊徳は、「マイクロファイナンス(小口金融)の元祖」という説についてです。
彼は多くの人から浄財を集め、それを小口金融で無金利、無担保として貸出し、借りた人は成功し返済するときは「冥加金」として金利代わりに利益の一部を差し出したそうです。
結果、利回りは貸し倒れを差し引いても、年率10%位は利益が出たそうです。
この発想は、後の無尽、つまり、日本の相互銀行などに受け継がれました。
大きくは、世界銀行傘下の国際金融公社がBOP(ベース・オブ・ピラミッド)として、新興国の極貧地域に小口金融を実施しオートバイ、水道(井戸)の導入などで地域社会を根本的に活性化して、国際金融公社も成長をとげ、自らの格付けをAAA(トリプルA)と、世界の債券市場の優秀はプレイヤーでもあります。

家訓の三連発のレクチャー
まずは、「積善の家に必ず余慶あり」・・・よい行いを積む家には、必ず、子孫に慶び事が訪れる
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長者三代の鑑(かがみ)
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炭俵を真っ黒になって作る創業者、茶の湯を楽しむ2代目、乞食になった3代目
議論が沸騰しました。
父のちびた鉛筆・・
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この鉛筆は多くの人の共感を得ましたヽ(^。^)ノ
最後は、商売・資産の3分法
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色々な質問がありました。
最後に半時間ほど、質疑応答がありました。
さすがに心学明誠舎の同人で、非常に深い議論で、石門心学の永年の歴史と歩みに感銘しました。

後記
永年、三方よしと石門心学の交流が望みでしたが、やっと果たすことができ、本当に嬉しく思いました。
心学明誠舎の方々には心より感謝申し上げます。