2018年8月1日 (水)
絢爛華麗、金沢にて加賀友禅・女流作家競技会!(^^)!
アブラゼミが鳴く金沢城のふもとで、加賀友禅の第36回目の女流作家競技会が開催されました。
加賀百万石の藩祖、前田利家公の雄姿です。
◆まず加賀友禅の産地を回りました。
加賀友禅染色協同組合は、染色の最終工程を組合事業として共同運営をしています。
「友禅流し」の共同作業場を見学しました。
まず、蒸しの工程です。
「ソーメン吊り」と称され友禅生地が互いに擦れ合わないようにしラックに掛けられます。
蒸しの機械の中に6反が入り1時間蒸します。
伏せノリを亀の子タワシでゴシゴシと落とします。
脱水機で水分を吸い取ります。上記は上等の生地、下記は小紋で遠心機です。
乾燥室です。
水の縮んだ生地を幅出ししています。
奥田理事長さんの案内でとっても勉強になりました。
◆産元問屋3社を訪問し、夜は産地交流会のあと、翌日は早朝散歩しました。
金沢城はこのシーズン、朝4時から開園しています。
立派な石垣が往時をしのばせます。
河北門
菱櫓、五十間長屋、橋爪門続櫓
早朝で涼しくて最高の気分でした。
◆「第36回、加賀友禅選抜女流作家新作競技会」が始まります。
今年のテーマは、「絢爛華麗」、選抜25名の女流作家さんが力作を出品されました。
別途に、「新しい風、シンフォニー」のテーマで、晴れ着にこだわらない新しい加賀友禅を応募し5点が出品されました。
主催の京都和装㈱より社長(小生)の挨拶です。
最優秀賞は松田風華先生
優秀賞は3名で、受賞された松島由美先生です。
新ジャンルの特別賞は柚野久美子先生です。
受賞者を代表して、松田風華先生の謝辞
競技会の審査委員長の中町先生講評
加賀染振興協会の住田会長の挨拶
◆受賞作品を前に
最優秀賞。松田風華先生、「ながれゆく」
優秀賞。矢花博呂美先生、「吹花」
優秀賞。小田美知子先生、「春歌」
さが美賞。中正享子先生、「藤のドーム」の作品。
京都和装の執行役員の塚本(喜三郎)次長
新しい加賀友禅の創作「新しい風、シンフォニー」の作品
特別賞。柚野久美子先生、「西から東へ」
注目を浴びた矢花博呂美先生、「夜想曲」
ネコが5匹、5線譜に乗ってリズミカルに遊んでいます。
生地は音楽記号が散りばめられた地紋織にボカシの地染めでタイトルにぴったりです。
◆受賞記念パーティーにて白井常務(京都和装)の御礼の挨拶
小川㈱の小川社長の乾杯
受賞者の先生方・・・
左から、矢花博呂美先生、中町審査員長、松島由美先生
左から、一川忍先生と松田風華先生、仲良く!(^^)!
小田美智子先生、中正享子先生
記念撮影前列左から西脇社長様(さが美)、小生(京都和装)、
後列左から小川社長(小川)、住田理事長(丸与商事社長)、小坂社長(カネヒサ)
次回の幹事役の小坂カネヒサ社長の一本締めでめでたくお開き
後記
このような染織作品の競技会は非常に稀有な存在となりました。
応募作品はすべて京都和装㈱が買上げ、受賞者には表彰状と賞金、副賞が授与されます。
協賛頂いているさが美様からは、さが美賞が授与され、受賞の先生の作品は展示会で大きく取り上げられます。
また、地元新聞や業界紙に加賀友禅の受賞者は紹介されます。
またお正月には、京都で受賞作家さんの招待新年会が催され、これに出席するのは作家先生のプライドとなるようです・・
作家の先生は、日頃の商品づくりの苦労を忘れて、競技会で優勝するために創意を凝らしクリエイティビティを発揮され、作家活動の魂を込めて出品されます。
36年間もよく続いたもので、この加賀友禅の伝統の灯を継承する使命を感じます。
作家の先生方に敬意を捧げ、ご協力頂いた関係各位に心より感謝申しあげます。