喜左衛門ブログ:President Blog

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2018年10月22日 (月)

300年の時空を超えて

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先週、はるばる群馬県から「みどり市大間々」や「桐生市」から13名の人達が貸し切りバスで近江に来訪されました。
江戸時代(2~300年前)に、滋賀県蒲生郡日野町の出身者が北関東や東北地方に商いに出て、そのまま定住、または、本宅を日野町に構え、各地で頑張っている商人・・・そう有名な日野商人の人達です。
私の伯母(父の姉)も日野商人である奥村家(日野町に本宅)へ嫁ぎ、奥村家は300年前から上記の大間々で奥村酒造を営んでいます。
近江商人は日野商人、そして八幡商人、五個荘商人、湖西に高島商人がいます。

日野商人は室町時代から和漢方薬、塗り物、醸造品など高付加価値な品を作るのが得意で、
江戸時代に北関東へ進出した時も、酒造業や醤油など発酵業を営む人が多かったようです。

そのような伝統ある日野商人の末裔が、近江に久しぶりに帰ってきたのです。
まずは彼らの先祖の地、日野町を訪問し、翌日、豊郷の伊藤忠兵衛記念館(伊藤忠商事や丸紅の創業者)、そして、五個荘の拙宅を訪問されました。

五個荘の拙宅

左がリーダーの”やっちゃん”こと松崎靖さんです。大間々で「三方良しの会」を主宰されています。

拙宅を見学後、離れ座敷で交流会です。
大間々のかた、桐生市の方など・・

当方、NPO三方よし研究所のメンバー(左から平田晃子理事、田中恵里子理事、岩根順子専務理事、伊藤忠商事の片桐さん)
実は2年前に、NPOメンバー10人で、「近江商人の足跡を訪ねて・・大間々、桐生へ・・」で、訪問をして大間々の松崎さん(前述)に大変お世話になりました。

活発な意見交換です。
日野、五個荘、近江八幡の近江商人は、大間々、桐生などの全国の各地域にて、地縁をベースに縁組で親戚になり、商売の取引があり、修行をしてご恩顧になり・・・実に300年の時空を超えて密接な関係にあります。

今週、私は、埼玉県秩父市にあるお得意先の矢尾百貨店さんの272年祭に出席します。
矢尾さんは、280年ほど前に日野をでて、群馬県の桐生のある矢野本店(日野出身)さんで修業され、272年前に独立創業をされ、呉服商(やがて百貨店)、醸造業(秩父錦はいつも金賞を獲得されています)など、広範囲に営まれています。
古い社員さんは日野出身が圧倒的に多く、近江商人の生活習慣や商法が生き続いています。
矢尾さんも昔からの三方よしの逸話がたくさんあります。

庭に出て記念撮影会です。

岡直三郎商店は天命7年(1787年)より大間々で醤油製造業を始め、日野商人らしい三方よしの精神で歴史上の逸話を残し今も盛業です。

左から三男の塚本喜三郎(京都和装の執行役員)と岡直三郎商店の岡社長さん

小生と伊藤忠商事の片桐さん。

片桐さんははるばる本社からお越しを頂きました。
片桐さんも三方よし精神で世界中の取引先を相手に活躍中ですが、今日の近江商人の長い歴史に感銘を受けておられました。

田中恵里子さん、2年前に「NPO三方よし研究所」の「大間々・桐生探訪ツアー」の委員長でした。

記念撮影です。

庭のシンボル、貝塚イブキの大木です。

150-300年間の交流の積み上げは大きく、地縁、血縁、修行先、お取引などで練り上げた歴史の厚みに、小生も今更ながらに感じ入りました。
ありがとうございました。