2019年1月28日 (月)
人間の頭脳と乾電池
先週の月曜日の昼、大阪で母校の理系の「オープン・ラボ」に参加をしました。
電子情報系、化学生物系、機械物理系の研究者が集まって、新しい材料研究が課題です。
大阪産業創造館であり、私は産学官共同事業の端くれのお付き合いで出席しました。
私のロートルな文系の頭では最初は拒否反応でまったく分かりませんでした。
「エネルギーを創る、蓄える、省く」というテーマで、発表会の進行途中に、急に私の頭のスイッチが
入りポンコツ頭脳が突如回転し、なんとサクサク判りだしたのです(@_@)
人間の頭脳は使ってみないと判らない・・・摩訶不思議な体験でした。
偶然にも、夜は「嶋台塾」でした。
会場の嶋台(しまだい、登録文化財、明治16年建築、造り酒屋)
京都大学の先生が吉田山から下りてきて、京の町衆と交流するという風流な催しです。
地球環境学堂(学部を超越した環境学)の吉野准教授が司会です。
小生は横山俊夫先生(京大の元副学長)のご縁で、嶋台塾の常連で来させてもらっています。
◆今日の提議は安部教授から、「電池の過去、現在、未来」
なんと今日の昼、苦しみながら聞いた話と同じテーマです!
230年前から電池の長い歴史の話です。
1780年、ガルバーニ(伊)がカエルの足から電池原理を発見、1800年、ボルタ(伊)が電池発明
なぜ、電池から電気エネルギーを発するか・・・原理の話です。
昔の自動車電話(重いショルダーから掛ける携帯電話の原型)から携帯電話へ
昔、アメリカ大統領の黒スーツのSPがデカい大統領専用電話を持っていました。
熱弁する安部教授
ニッケル水素化物蓄電池(エネループ)が自動車に搭載して大ヒット
太陽光電池の発展
2次電池(充電型電池)から、再生可能エネルギーを蓄積する次世代型蓄電池が期待される
◆ビジネス界から、木本衛さん(パナソニック)は、「家電が作る未来の暮らし」を講演
技術開発から、技術戦略への転換
電池の悩み・・・パワー、安全性(発火する)、耐久性。コストなどのバランスについて語られました。
10年後の戦略、30年後の戦略
熱く語る木本さん
捨てられる太陽光電気
太陽効率のいい九州にたくさんの「メガソーラー」が設置されました。
税制上の優遇措置があり、多くの東京の投資家が建設して九州電力へ売電をしました。
結果、九電にはそんなにたくさんの電気需要がなく、過発電で貴重な昼間電力が捨てられる運命となりました。
いかに電気を上手に貯めるか、重要な課題です。
◆パネルディスカッション
安部教授と木本さん
質問タイム・・・
・男性から「電池はいつまでもつものか(持久性)、替え時はいつか」とのご質問
答は、「それは電池の永遠の性質で実に悩ましい質問ですね」
“電池”で珍しく頭が冴える(?)小生は、2つの質問をしました。
- 太陽光発電(メガソーラー)で発電された大量の電力をもっと有効に貯めこむ
巨大電池の将来の開発計画はいかがですか? - 高性能2次電池と発電機をそなえたハイブリッドカーや電気自動車(日産リーフなど)が、現在何十万台も存在しますが、
それをネットワークでつなぎ、眠っている高機能を有効活用できませんか?
安部教授の①の答・・・
「これは重要な課題で、特に太陽の制御不能なソーラーは最大のテーマですね。」
木本さんの②の答・・・
「アイデアはその通りだが、何十万台の発電・蓄電池のエネルギーを回収して集めるのは、
大きなシステムと取り込み装置が必要で大変に難しいですね。しかし、頑張っています。」
質問するパナソニックの社員さん「私はサクラではありませんが質問します」・・・と
ユーモアたっぷりの質疑応答でした。
電池の大権威の池田先生がフィールド席から発言され、今日の嶋台塾の締めくくりをされました。
実に有意義なひとときでした。
嶋台の酒造りの神聖な井戸・・・昔、この井水で酒の醸造をしました。
なんか神様の領域ですね(^^♪
後記
「人間の頭脳」は2次電池みたいなものだと思いました。
蓄電、充電も可能。古くなると蓄電能力も鈍くなり、充電キャパも落ちてしまいます。
でも、使わないとみるみる低下します。放電(電気の利用)も充電もし機能維持が必要です。
いつ新しいのと替えるか・・・これは乾電池以上に私の問題として難しい所ですね(^_-)-☆