喜左衛門ブログ:President Blog

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2020年6月1日 (月)

京都の最高級ホテル・・アマン京都を探訪しました。

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京都の北部、鷹ヶ峯は江戸時代初期に、本阿弥光悦らが陶芸、金工、染織などの作家を集めて「光悦村」を作り、ここに芸術家の桃源郷を作ろうとしました。
世界に誇る西陣織の全盛期、昭和の40-50年代に巨万の富を築いた西陣の機屋(はたや)は、京の別荘地の南禅寺の岡崎に対抗して、ここに贅を尽くした巨大庭園を作りました。
その一人である浅野織屋は、とてつもない庭園に挑戦しました。
浅野が作った途方もない遺構に、アマンリゾートがとてつもないホテルを作りました。

巨石と巨木の神秘な作りに驚かされます。
看板も無く昔の城郭のような門です。

邸内の敷石には巨石が敷き詰められ。その武骨な雄大さに感嘆します。


至るところに水を祀る苔むした巨石があり、神宮の中のようです・・

アマンの本社はシンガポールにあり、創業者はエイドリアン・ゼッカ(両親はインドネシアとオランダ人、1933-)というホテルの常識を超絶した男です。
大富豪の個人別荘のような悠然したリゾートホテルで、世界に31施設を有します。
やっと宿泊パビリオンにきました。


お部屋は非常に広く、日本イメージの畳、ヒノキ風呂があります。


園内の見取り図です。

敷地は2万5千㎡とかで山と一体になっています。
とても広く、歩くのが大変でピクニックに行く気分ですね。

これは使われる予定だった正門の跡です。

アマンの特徴は料理に粋を凝らし、食材、板前の腕、ソムリエのセンス、そして何よりも「おもてなしの精神」が徹底的にアマン流なのです。
巨大なカウンターは11メーターあり、アフリカンチェリーの正目の素晴らしい銘木です。


鷹庵・・本当に素晴らしい日本食でした(^_-)-☆
板前さん、ソムリエ、スタッフの会話が洗練され、だれもが楽しく愉快になります。

園内を少し散策しました。


アマンの施設のすばらしさもさることながら、庭園作りを構想した浅野織屋の人となりに思いをはせました。
かような日本庭園は初めてで、重森三玲(昭和最大の庭園師)の究極のモダニズムとも異なり、近いイメージは織田信長の苔むした安土城址ですね・・・
昭和初期に大山崎山荘を作った若い加賀正太郎の「山荘と庭園」への情熱をも彷彿させます。
巨石趣味、巨木好み、北山の水を崇める、けた違いの美意識・・・

北山杉が続きます。


蓮池です。

緑が目に沁みます。

ホテル内の朝食のパビリオンです。


朝食後に散歩しました。

昨秋にふたつの超高級ホテルが誕生しました。
・10月29日に、「パークハイアット京都」が竣工しました。
京都の東山の高台寺近くに、京の一流料亭「京大和」の広大な敷地に、竹中工務店の技術と資本で、歴史と文化財が融合したホテルが誕生しました。
竹中統一さん(竹中工務店会長)の招待で、その工法、施設などを内覧会で見学しました。竹中の大工の棟梁としての伝統と腕前の確かさに驚嘆しました。

・11月1日は、「アマン京都」が竣工し、門川大作京都市長らが来賓に駆け付けました。
実は、このアマン京都の立役者はアグモニさん(イスラエル人、52歳)で、17年前、浅野織屋からこの広大な庭園を引き取り、じっと手入れをして時を待ち、アマンリゾートと共同してリゾートホテルとして開業にこぎつけ、竣工式に招待して頂きました。
アグモニさんの息の長い投資、独特の研ぎ澄まされた眼力、恐れ入りました。
小生より20歳若いこの偉大なユダヤの投資家から、これから色々と学ばせて頂こうと思います。