2020年6月15日 (月)
日本刀の魅力
お馴染みの五個荘にある近江商人博物館です。
この博物館で「北川正忠刀剣展示」がありました。
北川正忠さん(39歳)です。北川先生とは昨年11月3日にお会いしお話をしました。
若手ながら刀剣制作の第一人者です。
昨年、現代刀剣の最高峰、「高松宮記念賞」を獲得されました。
日本刀の材料の玉鋼(たまはがね)です。
北川さんが自分自身で作った道具です。
北川さんは、大阪芸術大学で学び、一念発起して長野県の備前の隅谷正峯師(人間国宝)の流れをくむ長野県の宮入法廣師(人間国宝)に師事して、日本刀伝統技術を学ばれました。
我が家(五個荘宅)の近くの五個荘平阪町に鍛刀場をもち、制作に励んでおられます。
鎌倉時代の名刀に魅せられ「丁子」と呼ばれる刀文(波紋)を特徴とする備前伝を目標にしておられます。
日本には、「美濃、山城、大和、相州、備前」の五個伝といわれる有名産地があります。
刀鍛冶の最初の仕事は、掃除と炭切。「炭切3年、向う槌8年、沸(ふ)かし一生」。
炭切と向う槌は体で覚えますが、沸かしは火の色(温度)をみて鍛錬の時期を見極めますから年季のいる仕事です。
これが、昨年、高松宮記念賞を獲得された受賞作品です。
刀のそりと波紋が美しい・・・・!(^^)!
少し解説を見ましょう。
<1>玉鋼(たまはがね)を熱して打ち延ばし水に入れて急冷し、2センチくらいに小割りして、良質な部分を皮鉄(かわがね、刀剣の外側)、そうでない部分を心鉄(しんがね、刀身の内側)や卸し鉄に使います。
<2>積み沸し(つみわかし)・・・小割りした素材をテコ皿に詰め重ね、鍛着するまで温度(1300-1500度)を上げる
<3>鍛錬(たんれん)・・・・刀の元になる地鉄(じがね)を作る。
玉鋼(たながね)を何度も打ち込むと強靭な鋼となる。
<4>造り込み・・・折れず曲がらず、よく切れる刀へ
炭素量が少なく軟らかい心鉄(しんがね)を、炭素量が高く硬い皮鉄(かわがね)で包むという方法で行う。
北川さんは、「甲伏せ」という技術で行う
<5>素延べ、火造りを経て、焼き入れを行う。
つまり造り込みの終わった鉄を平たい棒状に打ち延ばしていく
焼き入れにより刀文を入れる。
<6>鍛冶研ぎ(かじとぎ)
焼き入れで生じた曲がりよじれを修正し、刀鍛冶が自分で刀身に砥石(といし)を当て自分の意図する姿にと問える。
後記
小学生の頃の思い出・・・当時、我が家の蔵にあった道中差し(町人の短い護身用の刀)を密やかに持ち出し、近所の悪ガキとチャンバラごっこをしました(^_-)-☆
本物の刀を打ち合うと火花が散るド迫力で、皆、へっぴり腰でチャンバラをしました。
どうバレたのか、刀はすぐに没収となり我が家から消えました。
今にして思うと真剣勝負とはこのことで、今、思い出してもゾクッとします。”(-“”-)”