2020年12月21日 (月)
国宝、重文のお宝さがしの勉強会
京都の登文会(国登録文化財所有者の会)の12月例会は10日前の土曜日にありました。
今回は会員さんの文化財を訪問しての研修会です。
コロナ禍であり、研修だけで懇親会(忘年会)は中止ということになりました”(-“”-)”
◆京都の文化ゾーンの岡崎にある藤井斉成会の有鄰館に集合です。
明治・大正時代に活躍した近江商人(五個荘出身、私の生家の近所)の藤井善助さんの有鄰館を訪問です。(有鄰館と別館、西門が登録文化財)
有鄰館の中庭で19名の参加者への会長(小生)と京都府の文化財保護課様よりご挨拶。
本館は武田五一が設計し1926年(大正15年)に建設され、屋上には中国から移築した八角堂があり3万6千枚の乾隆年製の黄釉瓦でふかれた中国風建築となっています。
日本で二番目に古い私設美術館で、現存する建物では日本最古。
藤井善助さんは、列強の帝国主義の侵略によって、4千年の歴史ある中国の美術品が欧米に流出していくのを嘆き、なんとか中国美術を体系的に残そうとして収集をされました。
4千年前の殷の時代から清代までの青銅器、仏像、陶磁器、古印、拓本、書画など色々な品目を、30年かけて集めて中国の文化遺産の博物館を作られました。
いつもは非公開ですが、特別にお願いして見せて頂きました。
藤井善助さんのお孫さんにあたれる藤井前館長さんの講演(息子さんが現館長)
昔の日本人は「和魂漢才」がモダンな教養人、明治以降は「和魂洋才」一辺倒になりました。
藤井さんの話は、お祖父さんの「歴史ある中国への熱い敬意」が沸々と伝わってきました。
藤井さんの奥様と小生の家内は昔から仲良しで親しくさせて頂いています。
・中国の暦や節句の考え方について
・中国の古美術の鑑賞の仕方について
国宝1点や重文9点を含む膨大なコレクションが、館内に所せましと陳列されています。
カタログより・・・
・殷の時代の青銅器
・唐の仏坐像
・胡僧礼仏石、唐
・万暦赤絵薫炉、明
・翡翠香炉、清
藤井善助さんのコレクションのレベルの高さと物量に圧倒されます。
まるで台湾の故宮博物院に入ったかのような錯覚をします。
◆次は、有鄰館から白川沿いに5分間の「並河靖之七宝記念館」を訪問しました。
明治~昭和にかけて活躍した並河靖之の自宅兼工房(登文)が、記念館として公開されています。
学芸員さんの案内で会員は通り庭(台所)を見学
七宝焼きとは、金属の下地(壺や器)に釉薬を800度くらいの高温で焼成しガラス質、あるいはエナメル質な美しい彩色を施したもの
釉薬の焼成場
広大な庭園があり鑑賞させて頂きました。
お座敷は和室に応接セットがあり、手前は釉薬を施した七宝のメタルを展示
鑑賞が終わるとお座敷で会員相互の近況報告
参加メンバーは、京都登文会の会長(小生;SACRAビル)、田中峰子副会長(富田屋)、橋本副会長(白沙村荘、橋本関雪記念美術館)、大西幹事(順正)、山口さん(苔香居)、玉垣さん(十四春旅館)、柱本さん(藤田家住宅)、石川さん(紫明会館)、原田さん(千鳥屋宗家)らと、ゲストの日本画家、陶芸家、木工の若手名人も参加、
全国登文会の寺西理事長(阿倍野長屋)、愛知県から小栗会長ご夫妻と息子さん(小栗家住宅)もご参加、京都府から文化財保護課から、小宮課長様、榎本様がご参加。
和気あいあいとした意見交換会でお開きとなりました。
登録文化財をもたれるご夫妻や息子・娘さん、そして伝統工芸の若手作家、行政の方々、大阪府や愛知県の関係の方々を交えてマスクをしながらの静かな交流ですが盛り上がりました。
ご興味ある方はゲスト参加OKです。ご参加ください。
(6月と12月に研修会があります。)
ありがとうございました!(^^)!
番外編
その2日後に、大阪市立大学を全国登文会の寺西理事長(大阪)と青山事務局長と一緒に訪問しました。
荒川学長からの要請で登録文化財である時計台の活用についてのご相談です。
FB仲間の寺西章江さんの案内で140周年記念資料館を見学しました。
学長室で荒川学長、南先生、酒井さんと登文会3名とで1時間に及ぶ登録文化財の本館に活かし方を議論しました。
荒川学長は医学部出身で大阪のノリでボケと突っ込みの名手で、座は盛り上がりました。
(荒川学長の出演の番組のポスター)
登文会メンバー3人は天王寺で反省会をして仲良く散会しました(^_-)-☆