2021年2月6日 (土)
ツカキ・スクエアの謎
ツカキスクエアは、先祖が現本社地に引っ越してきたのは明治28年(126年前)、今のビルが建設されたのは昭和47年(49年前)です。
つまり1世紀以上の昔の引越しと、半世紀前の建て替えの思い出が同居しています・・・
◆弊社の屋上に「月見台」があります。(パーゴラ)
昔は、この「月見台」からお盆の大文字焼きの山、五山の送り火の4つが見えました・・
いまではビルラッシュで何も見えません。
月見台の横にカプセルがあります。
プレートが張っており、よく見ると…
4年前に大セレモニーをしてカプセルに格納式をしましたね(^_-)-☆
この中にあの当時の記念すべき品を入れました。
誰かが、「金塊を入れれば開けた人の楽しみになるぞ!!」と言ったので、金のインゴット(塊)を入れました。
4年間で5割値上がりしました!(^^)!
屋上の「月の砂漠」のようなノスタルジックな雰囲気が一気にキンピカの下品な話になりました。
◆7階に「西陣織あさぎ美術館」の裏側に、あさぎ事業部の製造部門があります。
これは織物設計図です。
骨董品のようなフロッピーディスクが大量にあります。
これは現役のディスクで、今も使っているのです。
絹の色糸が沢山あります。
美術館の裏に、西陣織の織元として、図案・紋図の制作の現場があり、金糸・プラチナ糸、箔など色々な材料調達をして、日本海側の丹後地方にある弊社のジャガード織機を支えています。
ご来館者は、美術館の作品鑑賞だけではなく、伝統産業の現場の見学を希望される方もあります。
◆5階には補正下着メーカーの㈱タムラの京都本社があります。
滋賀県草津市に工場がありますが、ここは京都本社の試作品の縫製場です。
ここのデザイン室から新製品が生み出されます。
特許(補正機能)とデザイン工夫に満ちたタムラの製造現場です。
◆5階にツカキ㈱の毛皮コートの倉庫があります。
このマシーンはなにでしょうか?
「空港の検査場にあるエックス線装置みたいや!」
その通りです。
毛皮コートに残留する縫い針や金属の残置物を検針する装置です。
私もこのベルトコンベアーに乗ってスルーすると、レントゲン写真のように骸骨が映るかと思い実験しようとしたら、スタッフから「大事な機械が壊れる(@_@)」と怒られました。
誰も「エックス線が身体によくないのでは・・・」と注意をしませんでした。
◆8階には仏壇があります。
120年前から木造の店の2階座敷にあった仏壇(浄土真宗)です。
本社ビルの中に仏壇があるって不思議かもしれませんね。
近江商人の東京の大拠点であった滋賀県人会の東京本部(堀留)は、盆・正月には皆集まって故郷をしのび先祖供養のお経(宗旨は問わず)をあげたといいますから、仏壇は必要なのでしょうね。
従って、当社にも仏壇が本社ビルの8階にあるわけです。
中国の会社には孔子堂が作っており、台湾の会社にも仏壇がありますから、東アジアは同じ精神風土があるのかもしれません。
◆7階の別家室の創業者の写真です。
「創業者、塚本喜左衛門3代目」とあります。
「創業者は初代でしょ、今の社長は何代目だ?」、とのご質問です。
塚本家の初代と2代目は半農半商で、3代目が慶応3年に独立創業したので創業者は3代目です。
私の曾祖父にあたりますので、私は6代目です。
名前は、代が交代するたびに名前を受け継いでいきます。
父の襲名は旧民法でしたので、戸籍謄本に「襲名し家督相続」との記入で相続税もいらない時代でした。
私の襲名は父と一緒に資料を山ほど持っていき、家庭裁判所で審理の結果、区役所で襲名が認められました。
代々の喜左衛門の写真
「なぜ、当代の写真がないのか?」
現役の写真は掲げないものです。
「当代は先祖の手代と思え」(手代は番頭の格下で係長クラス)
なかなか近江商人の先祖はエライのであります<(_ _)>
謎に満ちたツカキスクエアでした・・・