2021年3月1日 (月)
近所の散歩・・・春を告げる醍醐寺の「五大力さん」
先週の天皇誕生日(2月23日)、山科区の南にある世界文化遺産の醍醐寺を散歩しました。
立派な総門です。
平安時代、真言宗の空海さん(弘法大師)の孫弟子にあたる理源大師が874年に創建されました。1150年も昔のことですねぇ(@_@)
醍醐天皇らの帰依を受け、951年には五重塔(現存・国宝)が完成し大伽藍となりました。
立派な西大門(仁王門)が五色の幕で飾られ今日は「五大力さん」です。
「五大力さん」とは、2月23日に不動明王などの五大明王の力を授かり、国の平和や民の幸福を願う行事で、醍醐天皇以来もう1100年も続いています。
力餅がたくさん奉納されています。
修験僧が護摩木を焚いています。
五大力さんの仁王会、前行法要の五壇護摩です。(カタログより)
餅上げ力奉納の歴代のチャンピオンです。
男は150キロ、女は90キロを持ち上げ、耐久時間を競います。
国宝の五重塔952年建立)・・・我らが醍醐寺のシンボルです。
ちなみに千年以上前に建ち、現存する五重塔は、法隆寺、室生寺、醍醐寺の3か所しかありません。
高さは38メーター、10階建てのビルに匹敵します(@_@)
醍醐寺の中枢にある三宝院唐門(国宝)
三宝院は、1115年に建立され醍醐寺の本坊の役割を果たしています。
表書院(国宝)
桃山時代の寝殿造りの様式を伝えています。
三宝院の庭園
国の特別史跡になっているこの庭園は、豊臣秀吉の「醍醐の花見」に際して、自分で設計した庭で今も桃山時代の華やかな雰囲気があります。
霊宝館
国宝・重文などを保管している大施設で、国宝薬師三尊像はじめ、上醍醐の五大堂に安置されている重文「木造五大明王像」もここに遷座されています。
薬師如来(国宝。カタログより)
上妻悦子さん作の「醍醐の春」(桐塑人形)
後記
醍醐寺は200万坪の境内地で、国宝41点、重要文化財は4万点近くあり、正しく文化財の宝庫です。
醍醐は京都の旧市街から東南へ地下鉄で20分間、山科区の南端にあります。
醍醐寺は、京の街からのほどよい遠さが幸いし、平安時代からの多くの古文書、仏像、仏具などの寺宝が現存じ、京都でも文化財が多く残る巨大寺院として存在できたのでしょう。
室町時代の応仁の乱で寺は荒廃しましたが、安土桃山時代に豊臣秀吉の有名な「醍醐の花見」(慶長3年、1598年)で再興し秀頼の庇護を受け、明治の廃仏毀釈の嵐の中も乗り越え、醍醐寺はよく寺宝を守り抜き、庶民信仰に根差して生き続けた叡智と努力こそは、まさに世界文化遺産に値する偉業なのでしょう!(^^)!