2021年4月30日 (金)
麗しの西陣織展・・・薫り・・・いよいよ開幕
いよいよ初夏の美術館の新企画、薫りが始まります。
コロナ禍の緊急事態宣言で5月12日(水)から開館です。
・・5月1-11日は休館で、すみません<(_ _)>
新展示として、繭(まゆ)や生糸に触れることができます!(^^)!
左の「繭」(まゆ)の重さは1個2グラムで、生糸の長さは600~1300メータ―あります。
そっと持ってみてください。
繭の中でカタカタいうのは「蚕」(かいこ)のさなぎです。
右の「生糸」は硬くゴワゴワですが「精練」すると光沢のある「絹糸」(色糸)となります。
精錬とは生糸の周りの膠(にかわ、セリシン)を苛性ソーダで洗い落します。
生糸の断面図
かように繭から製糸工程を経て生糸となり、精練をされて絹糸となります。
絹糸の束を手でしごくと「絹鳴り」(ギューギューという音)がします。
昔の生糸は、現代の半導体のような大輸出産業でドルの稼ぎ頭でした。
繭や生糸に触る前にアルコールで消毒し、触れた後も消毒してください。
源氏物語の丸帯を展示しています。
源氏物語は、源氏香の文様となりお香の世界と深くかかわっています。
お香の300年の老舗“松栄堂”さんとコラボしました。(展示品は松栄堂さんの収蔵品)
先日、松栄堂の畑社長さんとお話をして意気投合しました。
日本の伝統工芸(西陣織、お香、華道、清水焼、京友禅など)の文化的な源流は万葉集や源氏物語に行きつき、日本文化のコンテンツについて語り合いました。
松栄堂さんと塚喜商事は60年ほどの長い交流があります。
西陣織あさぎの源氏香の帯
伝統文化や工芸は互いに影響し合いながら、何百年も続き支え合っています。
平安時代の貴族の遊びで貝合わせです。
ハマグリの内側に蒔絵と金箔で描き、二枚貝であるハマグリを二枚合わせるとピタッとはまります。
この人形、「京人形の島津」さんの制作で、小倉百人一首のかるた取りをしていた人形さん?
そうです、遊び道具がかるたから貝合わせに変わったのです。(島津謹製)
伝統工芸は色々な人ととのからみで成り立っています。
西陣織美術工芸あさぎの作品
◆5月の節句・・・菖蒲に兜
7月の天の川・・・七夕に短冊
尾形光琳の燕子花図(かきつばた、国宝)屏風より
豪華絢爛な金地に群青と緑青のみで描いた尾形光琳(1658-1716)のモダンな構図
右隻は遠景より描き根本から花弁まで、左隻は近景より花のみ描という大胆な表現をしています。 西陣織で金箔を使用して、精緻に織り上げました。
◆西陣織あさぎの仏教シリーズは多くの作品があります。
興福寺の阿修羅像(国宝)
広隆寺の弥勒菩薩半跏思惟像(国宝)
京都市の助成金で仏教織物の図録を制作しますが、金糸の織り込んだ陰影を写真画にするのは非常に難しいですね”(-“”-)”
◆西陣織美術工芸あさぎが獲得したアワード
塚喜商事㈱あさぎ事業部が制作し近年に受賞した作品への表彰状です。
新しく展示しました(^^♪
絹糸から丸帯の製造工程(上段)と図案から織物設計図で丸帯のデザイン工程(下段)
◆西陣織美術工芸あさぎのモダンな織物による絵画シリーズです。
唐招提寺(奈良)御影堂障壁画 東山魁夷「濤声(とうせい)」より
ルノワール『セーヌ川の舟遊び』
ゴッホの『オーヴェルの教会』
JFミレーの『晩鐘』
最終コーナーのインスタルーム
企画展示品を新しくしました。
是非、お越しください!(^^)!