2021年8月2日 (月)
西陣織で魅せる「印象派と浮世絵」
「西陣織あさぎ美術館」にて、7月30日―12月26日に企画展が始まりました。
明治維新(1868)前後に開国した日本は西洋との文化交流が始まると、北斎や広重の浮世絵の作品はヨーロッパの芸術家に強いインパクトを与えました。
クロード・モネ(1840-1926)、ゴッホ(Ⅰ853-1890)などは、それまでの写実主義に飽き足らず悶々としていたところに、浮世絵のもつインパクトに圧倒されました。
今回のテーマは、西陣織で魅せる「印象派と浮世絵」
繭が3000個(重さ3キロ)で丸帯が一本織ることができます。
生糸から絹糸へ糸染、緯糸を管に巻き付けて杼(ひ、シャットル)にセット
織物の基本と織物設計図(紋図)などをレクチャーします。
今回の企画趣旨は、江戸時代の浮世絵がフランスの印象派にもたらした影響を紹介することです。
♦葛飾北斎の「神奈川沖の波裏」波の間に舟が、遠景に富士山が見えます。
ゴッホの「星月夜」です。(上下ともに西陣織あさぎの作品)
ゴッホが浮世絵に衝撃をうけた様子が絵の中に感じます。
♦歌川広重の名所江戸百景「猿わか町よるの景」(西陣織あさぎ謹製)
ゴッホの「夜のカフェテラス」(西陣織あさぎ謹製)
浮世絵の遠近法からの影響を感じます。
橋口新一郎先生の「絹と黄金の茶室」で貝合わせを楽しむ女御
西陣織あさぎ「アールヌーボー」の丸帯とブルゾン(DECO SUGAI作)
♦菱川師宣の「見返り美人」(西陣織あさぎ謹製)
モネ「ラ・ジャポネーズ」(参考画像)
モネの傾倒ぶりが判りますね。
歌川広重の浮世絵
♦「大はしあたけの夕立」(名所江戸百景、西陣織あさぎ謹製)
ゴッホの「ジャポネズリー:雨の大橋」(参考画像)
♦歌川広重「蒲原 夜之雪」(東海道53次、西陣織あさぎ謹製)
モネ「雪のアルジェントゥイユ」(参考画像)
♦歌川広重「四日市 三重川」(西陣織あさぎ謹製)
モネ「ツルーヴィルの海岸」(参考映像)
浮世絵シリーズ(西陣織あさぎ謹製)
クリムト「接吻」(同)
ゴッホ「ひまわり」(同)
日月山水図屏風(金剛寺、国宝。西陣織あさぎ謹製)
「西陣織美術工芸あさぎ」がデザインコンペで獲得した表彰状
「西陣織あさぎ」と京友禅メーカー㈱京朋が制作した作品のコラボ
後記
西陣織あさぎ美術館のスタッフ・学芸員が色々と作品研究をして、今回の企画展を催しました。
日々の業務、他の美術館との連携、美術系学校への支援、動画の作成など、多くの仕事をこなしながら色々とチャレンジしていく美術館員の姿に感動しています。
皆様方も是非、応援にご来館ください<(_ _)>