2021年8月4日 (水)
真夏に涼しげなガラス工芸の世界
先日、画廊でふと気に入ったガラス工芸の作品がありました。
大きさは高さ30センチ位の“ガラスの顔”のオブジェです・・・
かぼちゃのように見えますが、実は“カボス”
かぼちゃの大きい果実です。
すっかり気に入り、手に入れました。
作家の藤田潤さん(1951―)は小生と同じ世代で、若い感性で技術レベルの高い遊び心のある作品です。
先生のご尊父は、藤田喬平さん(1921₋2004。2002に文化勲章)で、ご尊父の跡を継いで同じガラス工芸の道を歩み、只今、ベネッチアと千葉の工房で活躍しておられます。
ご尊父の藤田喬平さんは日本の近代ガラス工芸の草分けで、「江戸時代の琳派の美」をガラスの蓋(ふた)付きの筥(はこ)を作りました。
様々な作品を生み出し、フランスで大好評を得ました。
フランス人が、「この美しいガラスの箱へ何を入れますか?」と藤田喬平さんに訊ねました。
藤田喬平さんは、「夢を入れます」とこたえフランス人が感動したのは有名な話です。
工芸の世界は新しいジャンルを生み出すとき、大いに苦しみ伝統に根ざしたインパクトのある作品を世に出します。
その跡を継ぐ2代目は父を師匠として、父が生み出した技法を受け継ぎ、大いに煩悶しながら新しく洗練された作品を打ち出されます。
藤田潤さんとご一緒に(^_-)-☆
とても気さくな作家さんで、作品への思い、創作の苦労話をたっぷり聞かせ頂きました。
この作品は石田知史(さとし、1972-)さんの「パートドベール」(ガラス工芸)の作品です。
ご尊父の石田旦(わたる、1938―)さんは、日本におけるパートドベールの草分けで、静謐な日本の古典的な美を表現され、お母さんの石田征希さんは実に繊細で優美な作品を生み出されるパートドベール(ガラス工芸)の工芸ファミリーです。
偉大な両親の足跡を受け継ぎ2代目の石田知史さんが、これからどんな作品を創作されるのか注目の的です。
我が家は昔から石田ファミリーと家族ぐるみで付き合いしています。
夏らしいバカラの花瓶です。
70センチの高さのあるガラスの花瓶ですが、重くて移動が大汗です。
ルネ・ラリックの作品をご覧ください・・・
小生のお気に入りの花瓶「エスカルゴ」です。(1920年製)
香水瓶(1920年製、高さ30センチ位)
女性像「シュザンヌ」(1925年製、高さ22センチ)
オパルセントガラスの花瓶(1927年製)
シェーカー(1928年製)
冷たいカクテルでも飲みたいですね。
後記
夏の工芸品、涼しんで頂けましたか?
気持ちのいい夏を過ごしたいものですね。