2021年11月4日 (木)
山口晃さんと鍵善良房
モダンアーチストであり画家の山口晃さんの展覧会が「鍵善良房」で開催されました。
鍵善(かぎぜん)とはカギ屋さんではありません。
京都の祇園、高台寺、四条にある和菓子の老舗、「吉野の本葛(くず)」を用いた本格的な「くずきり」が名物で、黒蜜か白蜜で頂きます。
小生は黒蜜党ですが、沖縄の黒砂糖を用いて意外にさっぱりして実に美味しいのです。
鍵善は創業・享保年間(1720年頃)といいますから300年の老舗です。
代々の当主は文化人で、先々代は黒田辰秋(1900-1980、人間国宝、木工、螺鈿作家)を重用しました。黒田辰秋は、河井寛次郎に魅せられ共に民芸運動で活動した名人です。
鍵善の「くずきり」を入れる螺鈿(らでん)の箱
当代の当主は画家の山口晃に魅了され、鍵善の手提げ紙袋の絵を山口晃に頼みました。
鍵善の紙袋の絵「好きなカフェーのおじいさん」(山口晃、2013年)
なんともユーモラスなゆた~とした絵ですねぇ・・・
鍵善良房での美術ギャラリーで「山口晃の個展」が開かれました。
山口晃の作品です。
邸内見立、洛中洛外図。2007
騎馬武者図。2001
綵絵掛図、2013
江戸中期に活躍した伊藤若冲が相国寺に釈迦三尊像と動植綵絵三十幅を寄進しました。
相国寺の若冲のよき理解者である大典顕常と若冲が寄進された絵画を見入っている図
2008~2014年の京都新聞はじめ全国44紙に掲載された五木寛之の連載小説「親鸞」の挿
絵を山口晃は描きました。
西本願寺の総門
南無阿弥陀仏
若き日の親鸞・・「親鸞」の挿絵
親鸞の完結編
実は、小生は山口晃ファンで、6年前に彼の作品を一目見て気に入り、未完成の作品を購入しました。
畳1枚分のタテに長い絵の3部作で、近江の五個荘にある拙宅(先祖の実家)の離れ座敷
の床の間に飾りました。
山口晃氏は「未完成作品を仕上げる」約束を果たしに五個荘まで来られました。
山口晃さんは拙宅の離れ座敷に泊りこみ、夕食や朝食を共にしながら一心腐乱で描かれま
した。
山口晃さん(6年前のお顔)
(2015年6月1日のブログ)
その作品「シンガポールのマンション」
過去、現在、未来の3部作です。
山口晃さんは非常に魅力的な作家さんですね!(^^)!