2021年11月24日 (水)
工芸の美の巨人たち
若手のすごい漆芸作家が登場しました。
名前は浅井康宏さん(38歳、鳥取生まれ)。
京都で制作活動をされています。
私は数年前に浅井さんと知り合い、瞬間にただ者ではないと感じていました。
東京の池袋の百貨店で個展を開かれ浅井さんの激励に行きました。
激励どころが図録(1万円)が飛ぶように売れ、サイン待ちの行列です。
手のすいたところでお会いでき成功を祝しました!(^^)!
漆の蒔絵螺鈿飾箱(まきえらでんかざりばこ)「軌跡」
蒔絵螺鈿文箱
蒔絵螺鈿高杯(まきえらでんたかはい)「太陽」
この世のものと思えぬような光彩を放っています。
工芸のルールからいうと漆芸に金属を使ったり、色々な新奇の工夫を入れ込むことは法外とされます。(評価されないこと)
しかし、浅井さんは俄然、我が道を行くという信念で、あっと驚くような精緻な銘品を生み出します。
美術画廊のスッタフの方と話をしていると、今回の個展では、数十万円~2千万円の作品が完売という離れ技です。
瞬殺で、超高額工芸品が売り切れとは人間業とは思えません。私は何も買うことができませんでした”(-“”-)”
SNSで聞きつけた若い人、工芸ファンが美術サロンを訪れ、すごい熱気でした。
我々も、西陣織、京友禅など伝統工芸に生きるものとして大変に刺激を受けました。
浅井さんの独創性、超入念な作品作り・・・まさしく浅井さんの人生への共鳴をするひとが多いのでしょうね・・・
さて、先々月、銀座和光で開催された「石田家(石田亘、征希、知史さん)のパートドヴェール」の銘品が届きました。
蓋物「松籟」石田亘さんの作です。
石田亘さんは西陣織の骨絵(織物設計図の原画となるもの)の画家でしたが、石田亘さん、征希さんご夫妻は、パート・ド・ヴェールの技法でガラス製品を世に出しました。
日本的な静謐な美を表現し、素晴らしい境地を作られました。
まさしくガラス工芸作家ファミリーで、奥様の征希さんの華麗な作品、注目の若手作家の知史さんの才気あふれる作品・・・・注目であります。
日本の伝統工芸は、新しい息吹のなかで世界へ飛翔していくことを念願しています。