2022年1月17日 (月)
琳派、美の系譜(宗達、光琳、抱一)
西陣織あさぎ美術館の新企画展が開幕です。(第1期は3月27日まで、月曜日休館)
琳派とは、桃山時代から江戸時代、本阿弥光悦(1558-1637)、俵屋宗達(1570-1643)に端を発した新しい美術は、100年後、尾形光琳(1658-1716)によって大きく花が咲き、さらに100年後、酒井抱一(1761-1828)によって京都から江戸で琳派が洗練されていきます。
純金の尾形光琳の紅白梅図タペストリー(3.4メーター×3メーター)
丸帯1本分に用いる繭(まゆ)
3キロ、3000個の繭(カイコのさなぎ)が使われます。
織り上がった丸帯(左)と、巨大な織物設計図(右)
経(たて)糸と緯(よこ)糸がマトリックスになり、方眼紙に織物の織り方を示します。
琳派の先駆者、俵屋宗達の風神雷神図屏風(国宝、西陣織あさぎ謹製)
平安時代の末期に、藤原定家が京の嵯峨野の小倉山荘で古今の歌人百人を選定しました。
小倉百人一首です。
小倉百人一首を西陣織あさぎが挑戦しました。
図案は尾形光琳が描いた読み札と取り札です。(光琳かるた)
光琳かるたを丸帯にした作品です。
丹後の「西陣織あさぎ」の織職人・田中梅さんご夫妻の苦労話を動画で紹介
精緻な織り方で「光琳かるた」を織り上げました。
西陣織あさぎは色々な文化財の分野に挑戦し、貴重な絵画や書状を西陣織の高度な技術で再現しました。
尾形光琳の「紅白梅図」(国宝)の純金箔で織り上げた打掛です。
お正月のおめでたい掛け軸です。
狩野探幽の「竹虎」です。
雪舟の「天橋立」(国宝)です。
空海(弘法大師)から最澄(伝教大師)へあてた「風信貼」(書状、国宝)です
空海が中国で究めた真言密教の奥義、貴重な経典について、最澄の求めに応じて返事をしたためている「風信貼」・・・
平安時代の天台宗(最澄、比叡山)と真言宗(空海、高野山)のトップ同士の息遣いが感じられる書状です。
蓄光糸で織りあげた日月山水図屏風(国宝、金剛寺収蔵)
幻想的な世界を魅せます・・
西陣織のコンテストで数多くの受賞をしました。
洋画をモチーフに織り上げました。
ルノワールの三部作
ゴッホの「夜のカフェテラス」
クリムトの「接吻」
人気のビューポイントです。
後記
モバイルのビデオガイドが好評です。
各作品を1分間動画で判り易く解説してくれます。
今回も、尾形光琳、小倉百人一首についてなど、美術、文芸、西陣織あさぎの技術について、多角的に面白く紹介します。
是非、お楽しみください。