2022年2月14日 (月)
雪の山中温泉
この連休に石川県の山中温泉にひっそり行ってきました。
加賀市にあり、文字通り山の中にある温泉でコンコンと良質の湯が沸いています。
地元の伝統産業として九谷焼や山中塗が有名で、昔、松尾芭蕉が逗留した文化豊かな歴史のある温泉地です。
奥の細道の旅の途中に芭蕉と曽良がこの地で分かれました。
別れを惜しむ芭蕉と曽良の石像(山中温泉)
雪でよく見えませんが・・・像の後が芭蕉の館です。
私共夫婦が愛する「かよう亭」です。
亭主の上口昌徳さんは90歳の高齢ですが、いつも元気に笑顔で迎えてくれます。
上口さんは大変な文化人であり、石川県政をリードした大立者でもあります。
上口さんには五個荘の拙宅へも来て頂き、もう20年以上のお付き合いで、かよう亭に来るたびに多くの教えを頂きます。
かよう亭のすぐ近くを流れる鶴仙渓は雪で歩けません。
芭蕉堂です。山中温泉には俳諧の伝統があり句碑が沢山あります。
江戸時代、松尾芭蕉が8日間ほど逗留した山中温泉の宿の14歳の当主は、芭蕉の逗留中に「不易流行」の境地に達したといいますから、昔から山中温泉の宿の旦那衆の文化力は大したものですね(@_@)
鶴仙渓(大聖寺川)の流れです。
鶴仙渓に掛かる「あやとり橋」です。
むかし、かよう亭の上口さんが、勅使河原宏さん(草月流の三代目家元、芸術家、映画監督)を口説いてこの橋のデザインを頼み込み、1991年に全長94メーターのワインレッドの人道橋として完成しました。
山中温泉街を散歩して、お馴染みの多田桂寛さんのお店を訪問しました。
もう20年前からのお付き合いです。
多田桂寛さんは漆の塗師で同級生の川北良造さん(人間国宝、89歳)は健在ですが、多田さんは惜しくも10年前に早逝されました。
これは多田桂寛さんの遺作(正倉院の御物の写し、金蒔絵)です。
架台は桂寛さんの漆を塗るときの仕事台で、息子さんに頼み込んで頂戴しました。
今は多田社長(桂寛さんの息子さん)夫婦によくしてもらっています。<(_ _)>
ここは、浄土真宗のお寺ですが、大屋根の落雪からお参りの檀家さんも守る仮屋根が作られています・・・雪国の備えは大変ですね。
楽しみの夕食です。
先付けです。
伊勢海老
鰆とクルミ
しのぎに空豆の飯蒸し
海老原豊料理長はもう18年程お世話になっています。
海老原さんはいつも厨房ですから未だに会ってませんが、かよう亭の名物料理長だった石政さんの急逝のあと登板されて以来の味のお付き合い・・・
館内は上口昌徳さんの美意識が感じられます。
鶴仙渓の山道と流れを後にしました・・・
あと、永平寺に向かいました。
続きは次号に・・・