2022年6月10日 (金)
日本一の書道家、杭迫柏樹先生
杭迫柏樹(くいせこはくじゅ)先生・・・静岡県生まれの87歳の書の大家・・・の話を聞きに「和の会」へ出かけました。
これは杭迫先生が書かれた飾り扇です。
「今宵逢う人、みな美しき」(与謝野晶子)
玄関の入り口に飾らせて頂いています。
実はこの扇は永岡さんから頂きましたが、その永岡さんが主宰する「和の会」が京都市立国際交流センターでありました。
杭迫先生の話は実に感銘深いものでした。
杭迫先生の人生の「学書10か条」
第一条 明日のために古に学ぶ
第二条 志を高く持つ
第三条 気韻生動こそ生命
第四条 基本に徹し、原点に帰る
第五条 顕微鏡で調べて、望遠鏡で書く
第六条 我ここにあり
第七条 長い鑑賞に堪える書、見れば見るほどよい書、そういう作品を書きたい
第八条 自分の中に、もうひとりの批評家を持つ
第九条 老いてますます艶やかに
第十条 書は人なり
杭迫先生は、書の「線と形」の話をされました。
「書は勢いのある“線”によって表現される。文字は“形”ではあるが、書家からほとばしる線によって書は描かれる。書は線に命が宿る」・・・という意を言われました。
「ベールをかぶる女性」レオナール・フジタ(藤田嗣治 1886-1968)
このデッサンを書くとき、藤田嗣治は「デッサンとは一言でいうと線で描く事であって、これは我が日本人が最も得意とするのであり、私でさえ欧米人にたちむかったら必ず欧米人に勝ち得るという確信を持っている。欧米人が使う鉛筆やペンを使わず、先祖伝来の毛筆で戦おうという真剣さでデッサンに研鑽した」と語っています。
日本の浮世絵や大和絵はすべて線で輪郭があらわされ、その精妙さを自負しているのでしょう。
小生の愛藏する「ベールをかぶる女性」(1936年)を制作した藤田嗣治は、パリにて硯(すずり)で墨をすり毛筆でこの水墨画?を描いている様子を想像すると、「人間・藤田嗣治が大和魂で苦闘する姿」に共感し敬愛の情が湧いてきます。
杭迫先生と藤田嗣治氏の通い合う大和魂を感じます。
食事会でポールダンスが登場しました。
永岡さんのモダンな感覚に感心しました。
藤田裕之国際交流センター館長のご挨拶
心温まるいい会でした。