2023年2月1日 (水)
西陣織あさぎ美術館、「王朝びとの美学」が開幕
当美術館では、新企画がスタートしています。
「王朝びとの美学」・・・平安時代の源氏物語、三十六歌仙、百人一首がテーマです。
まずは、天皇家のルーツ、天照大神の伊勢神宮から始まりです。
伊勢神宮は、20年に一度の遷宮(神社を新しく道営して神様が動座される)が2013年に挙行されました。(式年遷宮)
2014年2月4日に、遷宮記念に弊社から「群鶏」の几帳を奉納しました。
伊勢神宮の天照大神の使徒であるニワトリの几帳を上野為二(3代目)に制作依頼しました。
この日、丹後の機屋、京都の染屋さん30名を引き連れ、全員が黒紋付の羽織袴の正装で伊勢神宮の外宮から内宮へ正式参拝し、神楽殿でおもてなしを受けました。
その折に天皇陛下に献上した卓敷(ランチョンマット、10枚組)です。(上の白い敷物額)
きものは、衣冠束帯と十二単です。
ここから華麗なる西陣織あさぎの世界です・・・
御所、紫宸殿の織額
源氏物語についての解説
百人一首、光琳かるた・・・読み手は奈良~平安時代のスーパースター。
かるたの絵柄は尾形光琳で国宝級、織り手が西陣織美術工芸あさぎ・・・
日本屏風絵大観、丸帯
日本絵画の巨匠っである狩野元信、永徳、山楽、そして長谷川等伯、海北友松などの大家の屏風絵、襖絵を本金箔、プラチナ箔で豪華絢爛に織り上げました。
佐竹本三十六歌仙
柿本人麻呂「ほのぼのと明石の浦の朝ぎりに、島隠れ行く舟をしぞ思ふ」
小野小町「色見えで、うつろふものは世の中の、人の心の花にぞありける」
丸帯、琳派四季草花図
本阿弥光悦の古今和歌集の和歌、俵屋宗達の四季の絵・・・究極のコラボレーションです。
「扇面流図屏風」俵屋宗達
宗達はもともと扇絵師で、これは最高傑作です。
絹と黄金糸の茶室。橋口新一郎作
中にある「お屠蘇酒器」幹山伝七作です。
清水焼の祥瑞(しょんずい)の名手ならではの出来栄えです。
源氏物語絵巻の丸帯と、かるた取りに興じる女御
女房三十六歌仙、丸帯
源氏香・・江戸初期の文化的指導者であった後水尾天皇の文学愛好(源氏物語)とお香の結合からうまれた組香が5本の縦線の組み合わせで生まれた図柄。
この芸術性の高さから、源氏香の柄は、帯、きもの、調度品の装飾図案によく使われます。
慶長檜扇文様、丸帯
光琳かるた(金地は絵札、黒地は取り札)
光琳かるた。西陣織でかるたを制作しました。
日出鳳凰図、伊藤若冲
伊藤若冲の動植綵絵から・・・
雪松図、円山応挙
三井記念館の所蔵(国宝)
印象派の展示室です。
印象派の油絵具を塗り重ねて描く手法は、西陣織のふくれ織りを駆使すると、実にリアルの絵具の筆のタッチまで表現できます。
「接吻」クリムト・・・
「ひまわり」ゴッホ
フォトルーム
ミュージアムショップ
平安王朝の文芸の薫りを、西陣織を通じて味わうことができます。
本歌(現物)の素晴らしさを、西陣織の伝統工芸を通じて“翻訳“されると、急に判り易く光彩を放ちます。
是非、ご覧ください。