喜左衛門ブログ:President Blog

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2023年4月17日 (月)

「都をどり」、祇園・甲部歌舞練場、杮(こけら)落とし公演

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京の花街は、祇園甲部、宮川町、先斗町(ぽんとちょう)、上七軒、祇園東を五花街として今も大勢の芸舞妓を抱えて栄えています。

「祇園甲部」は、八坂神社の門前の茶屋街として成立し、一帯は町並み保存地区(重要伝統的建造物群)でもっとも広域な地域です。舞踊は井上流で春の「都をどり」は明治5年に3世井上八千代によって創始され今日にいたっています。

家内と一緒に「都をどり」に出かけました。

甲部歌舞練場の庭園は広く手入れが行き届いています。

すっぽん料理で有名な大市さんの宣伝コーナー
京の多くの老舗が甲部舞練場を応援しています!(^^)!

川魚料理が得意な竹茂楼さんです。

舞妓さんの衣裳が飾っています。

中央はまめ鶴さん、左はまめ柳さん、有名な芸妓さんで~す(^_-)-☆

小生は、芸舞妓の世界は不調法ですみません”(-“”-)”

平成28年より大改修とコロナ禍で休館となっていましたが、この度、甲部歌舞練場の「新開場記念公演」として開催されました。
京の話題・・・春の「親鸞聖人生誕850年」(東西本願寺)、夏の祇園祭の鷹山復活など、盛りだくさんのテーマを「都おどり」に取り込み豪華な演出です。

舞・・・「猩々福舞」(猩々は海中に住み、酒を好む酒の精)
猩々から高風(市で酒を売る親孝行な男)が酒壺をもらい栄えるおとぎ話

天の川・・・天帝と天帝日、その娘の織姫と彦星の話


実に優雅で楽しい1時間半の舞でした(^^)/

その夜、伏見の清酒の玉乃光さんの「夢天下の会」で、杭迫柏樹(くいせこはくじゅ)先生とご一緒しました。

杭迫先生は米寿を迎えられましたが、とてもお元気で日本の書道の第一人者です。
王義之(303‐361)の書を基礎として、宋代、空海(774―835)の書を研鑽されました。
広川和子さんのご縁で知り合い、講演会を聞き、お食事をご一緒したり先生の魅力に引き込まれ親しくさせて頂いています。

宴会の帰りに杭迫先生から直筆の色紙を頂きました。
「温故知新」

先生が祇園甲部歌舞練場の春の「都をどり」と秋の「温習会」について、京都新聞に寄稿されています。
(杭迫先生のエッセイの引用)

「都をどり」は、舞芸妓さんの一糸乱れぬ真剣勝負の舞台をみていると疲れた・・・
秋の『温習会』について出典を調べていると、孔子さん(BC551-479)の名言【故(ふる)きを温(たず)ねて、新しきを知る】の「温(たずねる)」がなぜ「尋(たずねる)」を使わなかったのかであります。
孔子の本音は「古きをあたためる」ではなかったのか?
「温」とは、肉をとろ火で焚きしめてスープを作ること。歴史に習熟してそこから煮詰めたスープのような知恵を会得する。その知恵をもって「新しきを知る」
いいスープを作ろうとすると、急いで強火でやってはいけないんだよ。
歴史を学ぶのも、にわか勉強で手早く片付けようとするとしたのでは駄目だよ。
孔子はそう言いたくて、「温」の字をつかったのでしょうよ・・・
先生の新聞のコラムは「都をどり」を見たあとだったので心にしみいりました。

これは、20日ほど前の京都新聞・・・
文化庁が京都に移転しますが新しい文化庁の庁舎の前に建立された石碑に杭迫先生は揮毫されました。

「天に星、地に花、人に愛」
杭迫先生は、「天、地、人、どれが欠けても文化は成り立ちません」との思いで揮毫されたそうです。
悠久の歴史をもつ漢字、知恵、文化を味わいながら、杭迫先生から多くを学ばせて頂きたいものです。