2023年4月21日 (金)
美術展「マリーローランサンとモード」で始まる
京セラ美術館(旧・京都市美術館)で待望の美術展が始まりました。
先週の日曜日が開幕、初日に入場して吉澤公寿氏(マリーローランサン美術館館長)の講演を聞きました。
とても聞きごたえのある話でした。
マリーローランサン(パリ生まれ、1883-1956)の母は、国家議員の家政婦でその間に生まれた娘でした。
彼女の6歳の時、パリ万博が開かれました。
彼女はパリ市立デッサン学校で学びセーヴルで陶磁器の絵付けを経験しアカデミーアンベールに入学しました。
若かりし頃のマリーローランサンの自画像です。彼女は、自分の大きな鼻、はれぼったい目が嫌いだったそうです・・・
“洗濯船”でピカソや多くの画家と出会いました。
左、ピカソ、“洗濯船”と称した若き芸術家がたむろした安アパート
◆講演会では、マリーローランサンの生い立ち、画風の変化、色々な画家との出会いを聞き、いよいよ美術館の展覧会場に進みました。
「サーカスにて」(1913)
「白い羽飾り黒帽子をかぶった少女」
「舞踊」(1919)
◆マリーローランサンは、“肖像画”のジャンルで人気作家でもありました!(^^)!
1923年、グールゴー男爵夫人の肖像画が大変な評判を呼んだことで、著名人からマリーローランサンに注文が殺到する・・
バラ色のマントをまとったグールゴー男爵夫人
黒いマンテラをまとったグールゴー男爵夫人
◆モード界でのマリーローランサン
パリモードはオートクチュールの時代から、ポール・ポワレ(1879-1944)はコルセットから女性を解放し、ハイウエストで体にフィットするデザインで一世を風靡していきました。
シャネル(1883-1971)は第1次世界大戦後の女性の地位向上に乗って社会へ進出していく女性にマッチしたモードを作り上げ台頭します。
シャネルとローランサンが描いた彼女の肖像画
でもシャネルはこれが「自分らしくない」と書き直しを要求し、二人は対立します。
マリーローランサン自身の自画像
◆舞台芸術の衣裳、舞台演出に進出する・・・
ロシアバレイ「牝鹿」(1924)の一幕
ローランサンの衣裳と演出は評判を呼び、多くの依頼がきました。
最晩年の作品は明るい色彩でした・・・
「アルルキーヌ(女道化師)」(1940)
京セラ美術館の案内・・・
「マリーローランサンとモード」京セラ美術館、
2023年4月16日~6月11日まで、月曜日休館、大人2000円
オランジュリー美術館、マリーローランサン美術館(東京、閉館、移動企画のみ)など、90点にのぼる体験的なコレクションの公開
女性の台頭=20世紀の前半を生き抜いたマリーローランサン、
非常に見応えのある企画展です。
欧米の美術館は通常、写真は自由ですが日本では写真禁止が多いようです。
(西陣織あさぎ美術館はフリー、WEB掲載もフリー)
今回のマリーローランサン展は、撮影がフリーと禁止のエリアがあり、女性は熱心にスマホで撮っていました。面白い自由なひとときでした(^^♪