2023年5月17日 (水)
近江商人屋敷の見事な復興
五個荘金堂町にある我が家の本宅に帰りました。
家の外塀の工事(杉の焼き板の塀の改修)をしました。
杉板を熱で焼き焦がすと雨でも腐りにくくなります。
いわゆる「レトロの鉄釘」(くぎ)です。
太陽光線で板は反り返り、止めている釘を飛ばして仕舞うのです。
しかし、この釘(くぎ)は鉄製で古くなるとさびて爆裂して抜けにくくなります。
この鉄釘を金づちで一本ずつ、手で打ち込み焼き杉板を固定します。
非常に高くつく伝統工法ですが、町並み保存地区(重要伝統的建築物郡)の工事規則になっています。
さて、五個荘竜田(たつた)町に松居久右衛門旧宅が大改修されたというので見学に行きました。
立派な竜田神社です。
松居久右衛門旧宅(250年程前の両替商、近江商人)です。
ここは、織田信長で有名な安土町にある教林坊(創建は聖徳太子)の別院として再建され、松居久右衛門にちなみマーチャントミュージアムとして、先月、オープンされました。
前庭は、奈良時代の塔心礎手水鉢だそうです。
立派な玄関です。
玄関の正面に上段の間が作られていました。
大正時代に近江の豪商であった松居家に久邇宮朝彦親王が来られて、この上段の間が作られました。
久邇宮拝領の一文字手水鉢
その時につくられたヒノキ風呂
久邇家は皇族で昭和皇后様のご実家でもあります。
久邇家のご兄弟は、東伏見宮様(青蓮院門跡、天台宗、京都粟田口の拙宅のお隣)、東久邇宮(弊社の顧問をして頂いています)がおられます。
教林坊(天台宗)様も青蓮院様とはご縁が深いようです。
久邇宮様ご在所(浴月楼の2階)
さて、近江の豪商の松居久右衛門の商いは盛隆を極めたようです。
蔵は沢山あります。
蔵の地下に万両庫と言われる地下倉庫がありました。
猪目窓書院・・・これはイノシシの目で魔除けだそうです。ハート型に見えるかなぁ(^_-)-☆
帳場の結界です。
茅葺の木組みが見える台所
おくどさんが沢山ありますねぇ。
今年4月に教林坊別院が開院されました。
商人の商売繁盛の大黒様がお祭りし、その背後に聖徳太子が安置されています。
蔵に調度品が陳列してありました。
松居久右衛門家の代々の調度品が展示しています。
丁度、お屋敷におられた教林坊の広部住職様(52歳)のご母堂様がおられ、色々なご苦労話を聞くことができました。
名門の近江商人の松居久右衛門家がかように大改修され蘇り、こんなにうれしいことはありません。
ご住職様に感謝を捧げ失礼をしました。