2023年5月24日 (水)
丹後の西陣織の織り機の勉強
京都の北部は、日本海に面し「日本三景の天橋立」、「港の町・舞鶴」などが有名です。
丹後半島が日本海へ突き出し、「丹後ちりめん」(絹織物の白生地)や西陣織を織っており、「丹後」は絹織物の産地の代名詞でもあります。
丹後半島には、峰山町、網野町、大宮町など5町が合併した京丹後市(人口4万8000人)があり、峰山に市役所があります。
先週は、峰山の京都府織物機械振興センターに行って最新鋭の織機を見学しました。
絹の織物は、経糸(たていと)と緯糸(よこいと)があり、これは経糸を整える整経機です。
左に90個くらいの糸枠から出る絹糸を、右の大きなドラムに巻いていくのです。
当社の丸帯なら70センチ幅に1800本の経糸があります。
これは試織用整経機です。
ボビン(錐)から糸をとって8本の経糸となり、織物の織り幅はいかようにでも変化でき、自動的にコンピューターが判断して、織物の経糸を作ります。
すごい大型の施設です(@_@)
弊社は丹後に20台位の自社の織機があり、各機屋さんに織って頂いています。
織物の柄を作るのは、10色以上のシャトル(杼、ひ)が左右に飛び交い緯糸(ヨコイト)となり、1800本もの経糸がジャガードによって上下に操作され、経緯の糸が交叉して柄が出来上がります。
電子ジャガードの織機です。
織物の幅が広いのでシャトル(杼、ひ)では左右に飛びきらないので、レピア(やり)が緯糸をすくい取って緯糸を織り込みます。
これは経糸を操るジャガード機の部分になります。
昔のジャガードの紋紙です。
なつかしい・・・(^_-)-☆
京丹後の網野町の土地を見に行きました。
人口減の過疎地になってきています。
近くにコメリの店舗がありました。
丹後の地場産業振興センターにあるアミティに行きランチです。
さすが丹後、すごい食べ物のボリュームです( ^)o(^ )
浜岡さんの織工房を訪問しました。
ジャガード織機です。
三種の神器です。
★「ごこう」(御光、後光、形状が釈迦の「後光」が差しているように見えるから)
かせと呼ばれる輪っか状の絹糸を後光にかけて、糸枠に巻き取る工程
★「自動の管(くだ)巻き機」(杼の中の管に緯糸を巻き取る機械)
同じことを繰り返すとこから、「管を巻く」(くだをまく:しつこいの意)
★「手動の管(くだ)巻き機」
「シャトルバス」は、シャトル(杼)が同じ箇所を左右に繰り返し動くので・・・
織物は色々なコトバになっていますね。
機を織る浜岡さんの奥さん
織機のジャガードの上は、とんでもない熱を帯びますので天井が高く空気抜きが作っています。
後記
丹後の織機の老朽化、織り職人さんの高齢化が大問題になってきました。
技術の伝承をいかにして、金属疲労・摩耗が著しい織機の更新をどうするか?
次代への戦略が火急の課題となってきました。
我々の本気の覚悟が問われています。