2023年9月15日 (金)
涼感を求めて京セラ美術館を鑑賞しました。
日曜日の午前中、拙宅の近所の京セラ美術館(旧 京都市美術館)へ鑑賞しに行きました。
岡崎の疎水べりに美術館があります。
平安神宮の大鳥居、左が国立近代美術館、右が京都市京セラ美術館(下の写真)です。
人間国宝(染色作家)「稲垣捻次郎(としじろう、1902-1963)の没後50周年の企画展」がありました。
京友禅の型染の作家でしたが、独特の「型絵染」の分野を創作し、きもの、染額、屏風など美術分野への境地を開いた偉大なアーチストです。
若い時、松坂屋の京都仕入部に就職し染め物の勉強をして視野を広めたのでしょうね。
稲垣が愛読していた平家物語は好んで絵画化しました。
(以下、カメラを許可された作品を紹介します)
紙本型絵染「平家物語ひよどり越え」(1959)
二匹の虎(1955)
牡丹之図和紙糊絵屏風(1943)
右はボタンが大きく咲き、左は剪定され枝に新芽が見えるだけ・・・面白い対比の構図です。
伝統工芸の枠組みの中で、型染めの友禅技法を守りつつ超越し、きものから脱却してアートの世界へ大きく跳躍した稲垣捻次郎の世界でありました。
西陣織あさぎを制作する弊社にとって、学びの多い展覧会でした。
京セラ美術館では、晩夏をテーマに京都画壇が紹介されていました。
上村松園(1875-1949)の世界・・・・
涼風(1897)
待月(1926)
初夏の夕(1949)
晴日(1941)
きものの洗い張り(きものをほどいて洗濯)で伸子張り(しんしばり)をして反物を伸ばし乾かしている市井の女性の家事のすがた
秋はれ(大正期)
春光(昭和初期)
人生の花(1899)
上村松園の女性画家らしい凛とした女性の美は神々しくもありました。
心が洗われる京都画壇の偉人、松園画伯でした。
京セラ美術館からお勉強コーナーです・・・・
この作品は、北野恒富(1880―1947)の日本画です。
彼は加賀の金沢の士族に生まれ、木版画、浮世絵師、日本画家となり大阪で暮らしました。
「いとさんこいさん」(大阪の商家では長女を「いとさん」、二女を「こいさん」と言います)
質問1、どちらがいとさん、こいさんでしょうか?
質問2、姉妹の性格のちがいはあるでしょうか?
質問3、どんな会話をしているのでしょうか?
想像するだけで楽しいひとときでした
後記
避暑のつもりで近所の美術館へ行きました。
しかし、帰りの太陽は頭上にあり、家内から夕食のお買い物を言付かっており、近所の商店をウロウロ・・・
帰宅したら目が汗で開かないくらいの大汗で、家内から「汗臭いから近寄らないで・・、すぐシャワーに行って(>_<)」・・・と臭いものを追い払うように邪険にされ風呂場へ直行・・・
熱い一日でありました・・・