2024年12月12日 (木)
Newsweek(読者1億人)に取材していただきました
◆ツカキグループ、世界へ拡大
ツカキグループは1867年創業の染織業を起源とし、現在はハワイのウェディング事業やニューヨークの不動産業など、幅広い分野で成長を続けています。(記事:ポール・マニオン、ショーン・マクブライド)
◆伝統と革新
ツカキグループは、現社長である塚本喜左衛門氏(6代目)の曽祖父が京都で創業したきもの卸売業をルーツとしています。
同氏の故郷は、近江商人の発祥地であり保存地区として知られる五個荘金堂町です。
同グループは、近江商人の哲学である「三方よし」(売り手よし、買い手よし、世間よし)を基盤に、明治維新、関東大震災、大恐慌、第二次世界大戦といった危機を乗り越えながら157年の歴史を紡いできました。
現在、7つの事業部門を持ち、染織業、真珠やジュエリー、女性向け補整下着など、幅広い事業に携わっています。最も有名なのは、創業以来の中核事業である塚喜商事株式会社です。
◆西陣織の芸術性を世界へ
2019年に設立された西陣織あさぎ美術館では、日本文化を象徴する西陣織の最高の技術を展示しています。
この美術館では、絹糸や純金糸、箔織り、ジャカード織りといった繊細な技術を学べる体験型の展示が行われています。
また、江戸時代の日常や富士山、歌舞伎役者を描いた浮世絵の西陣織作品コレクションも所蔵しています。
浮世絵は、フィンセント・ファン・ゴッホ等のヨーロッパ印象派画家に多大な影響を与えました。
2024年7月には、京都最大の絹織物産地である丹後地方に「丹後クリエイティブセンター」を開設。若手職人を育成するための施設で、伝統技術の継承を目指しています。
また、見学可能な「オープン工房」としての役割を持ち、2階には関連資料を展示するミュージアムを併設しています。
◆真珠、ジュエリー、そして革新的製品
ツカキグループの企業「京朋」は京都に拠点を置き、染めの工房では平安時代の貴族が用いた「墨流し染め」技術を復活させました。この技法を京都スタイルの友禅染着物に応用し、世界中の注目を集めています。
また、真珠やカラーダイヤモンドを取り扱うジュエリー部門は、マダガスカルの鉱山から宝石を調達し、世界中のバイヤーから高い評価を得ています。
タムラ株式会社は女性用下着で複数の特許を保有し、授乳や体形の変化に対応する伸縮自在なブラジャーを開発。女性が常に快適に過ごせる革新的な商品を提供しています。
◆将来の展望
最近、ニューヨークでの不動産取得や、2025年のハワイのウェディング事業参入計画など、新たな分野にも挑戦しています。
イタリアやフランスから輸入する高品質の毛皮やジュエリー、真珠や宝石の輸出、女性用下着の技術革新、さらに西陣織の魅力をアメリカやヨーロッパで伝え続けるツカキグループは、21世紀においても特別な企業として国際的な成長を遂げています。