2015年3月9日 (月)
丹後へ弾丸研修!
ついこの間、2015年の年越しカウントダウンをしたかと思えば、もう三月ですね…。
こんにちは!!塚喜商事(株)あさぎ事業部の瀧山(たきやま)です。
織物メーカーである塚喜商事㈱あさぎ事業部(証紙番号577)は、西陣織の最高峰と言われている”1800口ジャガード”を駆使して、世界一細かい”美術工芸品”を織っています。
3月4日水曜日、有力呉服店の方々に、時間を作っていただき、
丹後まで塚喜商事㈱あさぎ事業部の機(はた)の産地研修に参加していただきました!
マイクロバスを借りての、限られた時間の弾丸研修でした!
さあ、バスに乗り込み、あさぎ事業部の松嶋(生まれも育ちも生粋の丹後っ子)のバスガイドで片道三時間のドライブです。
途中休憩をはさみ到着です。さぁ、織りの現場を見てみましょう!
弊社松嶋が熱く語っています。
これが弊社あさぎ事業部の所有する、1800口ジャガードの機です!通常の西陣織は400~900本の経糸(たていと)が入っているのですが、弊社の織物は1800本も入っています!
細かい!!
これがあさぎ設計図です!僕らの財産です。企業秘密なので、ちょい遠目です。
ご存じの方もいらっしゃると思いますが、従来は紋紙(もんがみ)を使って、機に信号を送っていましたが、
あさぎの織物になると、約10万枚という莫大な紋紙枚数になるので、現在はフロッピーディスクを使っています。
『今は機械だから、簡単に織れるんでしょ??』と僕が色んなところに営業に行くと、お客さまに質問いただきます…。
『それがそんなことないんです!!』
手織りでなく、機械ならではの大変さ。機械トラブルも多いので日々のメンテナンスや、職人の”加減”が光ります。
一日中、機に付きっきりにならないと、キズができるので目が離せられません…。
次に、これが杼(ひ)と呼ばれるものです。緯糸(よこいと)を巻いた管(くだ)が入っています。
設計図にあわせて、色を出す列によって、杼(ひ)をセッティングします。
織り出すとすごい速さで杼(ひ)がぴゅんぴゅん行き交います。
経糸もキレイに整経(せいけい)されて、経糸を上げたところに緯糸が走り、柄が生まれます。
西陣織ってほんとにいくつもの工程を経て出来上がっているんですね…。
ありがとうございました!!!
最後に弊社あさぎ事業部の機を管理していただいている、木本さんのところへ。
弊社の松嶋はこの木本さんに織屋として育ててもらったと言っても過言ではありません!
機のこと以外にも、大切な事をおそわったんですね…。
木本さんは、丹後の職人の現状を打ち明けてくださいました。職人の高齢化と、若者の後継者の問題です。
木本さんの話に”加減”というキーワードがありました。
職人さんは機の調子を”加減”であやつります。いくら若者が機の説明を聞いて、やってみようとしても、”加減”を知らなければ、あやつれません。
後継者も少ないので、丹後では職人の技術を動画に残すことをしているそうですが、やはり向かい合って直接”加減”を後継者に教えなければなりません。
ひとりでも多くの方に、あさぎのブログを通じて、機に興味を持ってもらい、西陣織ってこんなに難しいんだ!と思っていただければ幸いです。
有力呉服店の方々も、『今回参加して本当に良かった。あんまり値引きが出来ない理由がわかった。』とおっしゃってくださいました。
皆様、本当にお忙しいところ、ありがとうございました!
塚喜商事㈱あさぎ事業部 瀧山